肥満による内臓脂肪の蓄積が糖尿病、高血圧、高脂血症の発症に深く関わり、これらが重なるほど心疾患や 脳血管疾患の発症リスクが高くなるという身体の変調がメタボリックシンドロームです。
(お臍のレベルでのCT写真の輪切りで、内臓脂肪面積が男女とも≧100cm²に相当します。)
CTスキャンなどで内臓脂肪量測定を行うことが望ましい。
(当院では体組成を正確に測定でき、内臓脂肪面積がわかる機器を設置しています。)
または
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メタボリックシンドロームの根本原因である内臓肥満の解消に努めます。食事療法,運動療法が主体となります。 適切なエネルギーとバランスのよい食事はすべての生活習慣病に共通する最も大切な効果的な治療法です。
運動はストレスの解消,高血圧・高脂血症の改善にもなり、年とともに弱くなる足腰を丈夫にし、
若さを保ち自立した生活を送る手助けをします。
散歩、ランニングや自転車こぎで使う足の筋肉は身体で最大のブドウ糖処理工場です。運動によりブドウ糖がどんどん筋肉に取り込まれ血糖値の低下につながりますし、
筋肉が増えるとエネルギー消費も増え減量に役立ちます。
当院においては、運動療法の必要な患者様には運動負荷試験などのメディカルチェックを行った上患者様にあった「運動処方箋」をお渡しし、理学療法士が指導にあたっています。
食事・運動をみなおしても、あるいは仕事のためなかなか糖尿病克服に精力を十分に注げないなど、
いろいろなわけで血糖コントロールの改善が期待できない場合、インスリン注射は必要と思われます。
なるべく早くインスリン注射を始められることをお薦めします。
早期にインスリンを使うと短期間のみの注射ですみ、その後インスリン注射が不要になることも多くみられます。
また、最近のインスリン注射は針も非常に細く痛みを感じにくいように工夫されていますし、
使い捨てのペン型もあり使いやすくなっています。
でも生活習慣が全く乱れたままではインスリン注射も効果がえられませんのでその点はお忘れないように。
当院では外来でのインスリン導入指導を行っています。
糖尿病になる手前の状態で、ブドウ糖をのんで時間おきに採血する糖負荷試験において「正常型」でもなく、
「糖尿病型」でもない「境界型」にあてはまる人をいいます。
以前糖尿病と診断され、治療により「境界型」に改善した人はこれにあてはまりません。
ちなみに予備軍でも食後の血糖値が高めの人は動脈硬化が生じやすいといわれています。
動脈硬化の合併の有無を調べられることをお薦めします。
(当院では早期の動脈硬化の発見のため、頸動脈エコー検査および下肢動脈硬化検査を行っています。)